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■感情の昂ぶりで気絶できたり病気になれたりする少女■

帽子を編みました。ブリブリで恥ずかしくてかぶれません。
furifuriboushirose.jpg


最近、都会に出たときにサラ・ベルナールの自伝を買いました。
(私の住む地方都市には徒歩範囲には書店はないので、都会に出る時は、手にとって本を選べる貴重な機会でもあるのです。)

サラ・ベルナールは、19世紀末~20世紀初頭のパリで活躍した大女優です。
女優としてばかりでなく、その激しい個性でも有名で、大衆新聞のゴシップ記事を賑わせていました。

これを読むと、私の思い込みに反し、サラ・ベルナールは経済的な意味ではかなりのお嬢様でした。(私は、お針子かなにかの出身だった踊り子Jane Avrilと混同していたようです) 

少女サラ・ベルナールはすぐに癇癪をおこして気絶したり、高熱を出して生死を彷徨ったり、癇癪をおこしたあげくの衝動的な行動で怪我をしたりします。

こう書くと「ただの我が儘お嬢様ではないか?」と思うでしょう。あるいは、もしかしたら演技性人格障害なのかもしれませんが、それにしてもこれはサラ・ベルナールのママンも悪いのです。

一緒にいるときはベタベタに過保護なくせに、そのわりにはサラが泣けど叫べど、すぐにサラ・ベルナールを乳母や寄宿学校に預けて男とどっかに旅行に行ってしまい、一端、旅行にいってしまうと「すぐ帰るわ」という手紙とお金をよこすばかりで、ちっとも帰ってきません。乳母のほうからはサラのママンに連絡がとれないので、乳母は結婚すると夫と住むために、サラをつれて勝手に夫の家に引っ越してしまったほどです。
ママンを少しでも引き留めるには、本当に病気になるか、本当に怪我するしかなかったのです。
ナダール撮影 サラ・ベルナール
でもでも、不謹慎ではありますが、「感情の高ぶりでばったり気絶できたり、病の床についたりできたら、どんなに素敵で文学的であろうか。ダレソレは改悛の涙を流すだろうか?」と、悲劇のヒロイン、薄幸の美少女になってみた自分を想像してみることがよくあります。

私も三十年以上生きてきた人間ですから、倒れたことぐらいは貧血や過呼吸などで何回かあります。
しかし、どういうわけか、服装、同伴者、場所、タイミングなどあらゆる点で倒れたくないし、倒れるつもりもないし、倒れても悲劇のヒロインみたいにかっこよくない時ばかりです。過呼吸で舌が痺れてしまって口もきけず、泡混じりの涎ダラダラ流したり。
当然ながら、女優の素質もなく、小学校のクラスの芝居(全員参加)ですら既に苦労しました。

またも、
「子どもも、サラ・ベルナールのように過保護と放置で育てたら、歴史に名を残す大女優になるのか?」
…などと、くだらぬ発想の飛躍をしました。

しかし山岸凉子の『汐の声』(あー怖かった)を読んだばかりですので、「いやいや。娘がそんな思いをしなくてはならないなら大女優にならなくてもいい。」と思い直しました。

その話を、正気の友人にしたところ、「そうそう。そういう思いをさせて育てたからって別に必ず大女優になるとは限らないしね」と至極もっともなことを言いました。

なるほどそうだ。
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■表紙がアレすぎて迷う本■

何回も読んでいるし詰まらないわけじゃないけどいつも最後まで読み終わらない本、というのは誰しもあるかと思いますが、私が永遠に読み終わらない本はバルザックの『La Femme de trente ans(三十女)』です。

これは30歳になったときからパリの図書館で何回も何回も延長して借りています。
買ってしまったら積ん読になると思ったから。

しかし、現在私が住む、この陸の孤島では、図書館は有料だし、しかも遠くて行くのが結構面倒くさいわ、行く途中に、「ピュテン!ヴィエン、ヴィット(フランス語訳:Putain! Viens vite!)」とベタベタの訛りで友だちに叫んでいる、お世辞にも洗練されているとはいえないこの地独得のファッションの女の子たちがいるわで、借りに行く気が失せています。


「仕方ない、買おう」と思いました。

安くあげるには古本屋です。しかし、びっくりするほど人々が本を読まないこの地では、古本屋は一軒しかみたことありません。その本屋では、昔の装丁した古書専用で、ただの文庫本の古本はありません。

そして、古書店も書店も含めて、私の住むところから半径5キロメートル以内には書店はないようです。私の住むのは白人労働者階級の隠居老人が多い地区です。書店のかわりにやたら手芸屋があります。パン屋よりも数が多いくらいです。
ここの人たちは「本」というと通販のカタログか、キヨスクで売っている雑誌を思い浮かべます。

そんなわけでもともとヒキコモリの私はますますヒキコモリになりました。
ヒキコモリの私にはかかせないAmazon.frでさっそく検索です。

お、安いのがあった。3ユーロ80で送料無料。
http://www.amazon.fr/dp/2218922932/
しかしなんだこの表紙は。

表紙が厭すぎて家に置きたくありません。

こちらがほしいのですが

http://www.amazon.fr/dp/207036951X/
倍近いお値段がします。

先日もレオノーラ・カリントンの本のことで迷って未だに結論が出ていないのですが、それなのにまた新たな問題が発生です。

「貧乏って厭だわ」と思わず溜息をつきながら口に出しそうになってしまいました。が、先日、うちの娘三歳が、「ビンボウってイヤダワ」と楽しげにのたまいながら遊んでいるのを見て慄然とし、「これからはそういうことを言わないように気を付けよう」と心に誓ったことを思いだし、口をつぐみました。

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Author:後ろ向きな人
手芸と育児のほっこり主婦日記。
couture, crochet, point de croix, manga insolite
sewing, crochet, cross stitch, weird manga,rock
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